絵を描くこと
更新日:2022年1月23日
新宿出張から帰ると、金沢は気持ちの良い春の空気感。犀川という川の川沿いの桜は満開になっていました。
保育園もお休み。私もお休みして、娘と過ごす日曜日。娘とお花見に出かけました。
普段工房に籠りがちなので、作品の事を外で考えるのもいいかもしれない。と、クロッキー帳と小さな鉛筆だけ持って、川沿いまで歩きました。
日曜日の午前中、風がふくと花びらが綺麗に舞い、心地のよい日です。
娘に満開の桜を見てもらおうと、ベビーカーから持ち上げてら花に近づけると、きょろきょろと重そうな頭を動かしながら、桜をつかもうと懸命に手をのばしていました。
はじめての桜にとても興味があるようでした。
あまりに綺麗で、心地が良いので、木陰に腰をおろし、しばらくデッサンをすることにしました。
目で見えた情報を頭の中に送り込んで、手に伝える。鉛筆を動かす。紙面に起こされたスケッチは、自分がこの世界をどう見て、どう捉えているのかを、目で確認させてくれます。
"本当にみえているかな"
絵を描くことがおもしろく、鉛筆や絵の具、ペンなどを使い、ひたすら絵を描いていた昔の私。がりがりと描き込むことに熱中した予備校時代。その頃の目的は、より上手くなって志望校に合格することになっていましたが、今思うと目の前に見えるものに真剣に向き合って、ひたすら紙に描くという行為は、制作においてすごく重要な、根本的な部分であったと感じています。
目で見たものを自分の中にインプットし、脳を介して、手を通じて、紙面にアウトプットするデッサン。
アートワークも、自分の頭の中にあるものを他の媒体にアウトプットする行為。その、自分の頭の中を構築するのは、五感からの刺激であり、インプットにより作られるイメージであり、思想であると思います。
インプットとアウトプットの繰り返し。紙面に落とす一つ一つの線が、五感からのインプットであり、脳からのアウトプットである。この行為はとても心地よく、また、すごく静かに、自分の世界の捉え方がみえてくる。
自分はどう見えて、どう感じて、どう捉えているのか…まるで再確認するかのような静かな時間。
デッサンやスケッチは、そういう行為であると思っています。
いつか、娘がなにかしらの形でアウトプットができるようになったら…。
その日が楽しみで仕方がありません。
はじめての桜に、わくわくして手を伸ばす我が子が、世界をどんな風にとらえているのか、感じているのか…
いつかクレヨンで壁いっぱいに描いて伝えて欲しいと思っています。
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